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ブラック企業を辞めたら人生変わった!社畜が野良猫に救われた話

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残業も休日出勤も当たり前のブラック企業にお勤めしていた時の話。

 

事務所のベランダにノラ猫がよく遊びに来ていました。食品関係の会社なので事務所とはいえ動物、ましてノラ猫なんてご法度。でも馴れてくると可愛くなってしまって、コッソリ室内にいれたりもしていたんです。

 

 

この話は、ノラ猫ちゃんと私の秘密のひととき、ノラ猫ちゃんの出産、ノラ猫ちゃんを利用して社長へ復讐、そしてお別れまでのお話です。

 

ブラック企業の社畜になったワタシ

私は大学を出て30数年間ずっと同じ会社に勤めていました。結婚はしましたが子供がいないので辞める理由がなかったし、先代の社長が厳しいながらも可愛がってくださったので居心地が良かったということもあります。

 

ところが、先代の息子に代替わりしてから環境はガラリと変わりました。事務員の人数が半分に減らさたにも関わらず、仕事量がそれ以前より増えるという「ワケワカンナイ」状態。

 

いつの間にか朝暗いうちから夜暗くなるまで仕事。おまけに休日出勤も。という生活になっていました。過労死のニュースで120時間の時間外労働で…と聞いても「私の半分じゃないか。そのくらいで死ぬか?」…なんて感じていた私は200時間以上の時間外、1日15~16時間働いていた完璧な社畜でした。もうマトモな考えでなくなっているのですね。

ブラック企業の社畜ちゃんと野良猫の出会い

事務所は古い雑居ビルの2階で、コンクリートのベランダが端から端まで仕切りもなくつながっている造りでした。それがちょうどキャットウォークのようになり、いつの間にかそこをノラ猫が歩き回るようになっていました。食品を扱うビルということもあり、隠れて餌をあげる人も多かったようです。

 

私はどちらかというと犬派で、見るからに汚いノラ猫なんて嫌い。それこそ初めのうちは餌付けする人に注意したり、ベランダに散らばった食べ物が不衛生だと片付けたりしたものでした。

 

そんなある日、休日出勤した日の事です。ベランダから視線を感じ、目をやると1匹のキジトラ模様の猫が私を見つめているではありませんか。今までは、お休みの日は餌がもらえないとわかっているので来なかったのに、その日はなぜかその子だけがちょこんと座っていたのです。

 

一人で仕事をしている自分と、1匹でご飯を探しに来ているキジトラがなんだか惨めに感じました。

 

どういう訳か、私は持っていたおにぎりをあげてみました。するとキジトラはガツガツと食べはじめました。その日は食い散らかしてササッと帰って行ったのですが、その日からキジトラは休日の日にも一匹で現れるようになりました。

 

社畜ちゃんと野良猫の日々

なぜか私はキジトラと波長が合うようでした。さすがに普段は部屋にいれることはしませんが、休日出勤の日は部屋の中に入れ、餌にオヤツにと大甘やかしでした。

 

ある時はコピー用紙の箱の中、またある時は戸棚の本と本のスキマ、はたまた皆の椅子の上とあちこちで昼寝をしながら私の仕事に付き合ってくれたものでした。相手がノラ猫でも生きているものがそばにいてくれるのは嬉しいものなのです。もちろん社長にバレたら絶対に怒られるのは判っていたので、かなり気をつけていました。

社畜ちゃんの小さな復讐

そんな日々が続いたある日。キジトラが妊娠した。

 

去勢していないしノラだから当たり前のことだけれど正直困ってしまいました。どこで産むのだろう?子猫どうするの?なんて、ここにきて責任というものを感じ始めました。そんなこちらの心配をよそにキジトラは旺盛な食欲を見せ、普段はベランダで日向ぼっこ、休日は室内で爆睡。と、母猫になる準備をしているようでした。

 

猫も「つわり」があるのでしょうか?気分悪そうにしていたと思ったら盛大に吐き戻したことがありました。ちょうどそれが社長の机の下だったため「ざまぁみろ!」なんて思ったものです。(まぁ見えるのはヤバイので机と床のスキマにずらして押し込んで知らん顔しておきました。掃除機も入らないくらいのスキマなので気づかれることは当分ないでしょう)

 

ちなみに若社長はネコアレルギーがあるようなので、椅子についた毛やダニは少なからず影響をあたえていたでしょう。

さらばブラック企業の社畜ちゃん

それからしばらくキジトラを見ない日が続きましたが、ある日、キジトラがまた現れてくれました。キジトラのお腹はへこんでいました。どこかで子供を産んだのでしょう。なんだかすごく嬉しくなったのを覚えています。

 

私は寝床で待つ子猫の分も考えてご飯をたくさん用意していたので、さっそくキジトラに大量のご飯を与えました。ですが、そんな私の気持ちとは裏腹に、その日からキジトラはご飯を急いで食べてはすぐに帰っていくようになりました。

 

その時に私は気がつきました。

 

「私の感じる責任なんて、あの子達には全く関係ない」ということに。あの子達は本能のままにお腹を満たしてくれるところを見つけられるし、自分達だけで子猫を育てることができる。あの子達はけしてすがる事はしないのです。

 

もちろん、人に物を投げつけられたり、雨に打たれるときもあるでしょう。餓死する事もあるでしょう。しかし、あの子達は媚びない。誰かに頼る事も依存する事もなく、気高く自由に生きているのです。

 

…。

 

それに引きかえ、私はなぜ1日の3分の2も会社にいるのだろう。しかもこんなブラック企業に。私は会社で何をしているのだろう?

 

「私もあなた達みたいに生きられるかな?」そんな事をキジトラに問いかけていました。

 

心が疲れていたのかもしれません。私はその数日後に辞表を出しました…。引き継ぎ書もかなり端折って書きました。社長が絶対にこちらに頼むことはないと知っていながら「分からなかったら教えに来ますよ。」とにこやかに言い放ったのも心が病んでいた証拠かもしれません。

 

ですが、今思ってもこの選択は間違いではなかったと思います。ノラ猫が私の心を取り戻してくれたとは言えません。社長に下品な嫌がらせをしたことも内緒のままです。

 

そして、最終日に私を見送ってくれたのがノラ猫達だけだったことも、他人には言えない秘密の一つです。