新宿西口駅から大江戸線で2駅の「若松河田駅」にある【小笠原伯爵邸】をご存知ですか?
新宿西口駅からだと5分弱、地下深くある大江戸線から地上に上がり、ふっと右手を見るとそこには歴史的建造物である邸宅が佇んでいます。伝統と格式の息づくその洋館は都内の中心にあるとは思えない静寂さと優美な空間を演出しています。
約1,000坪の敷地を擁するこの洋館、「小笠原伯爵邸」では非日常的な世界が味わえます。
今回は、そんな小笠原伯爵邸についてご紹介したいと思います。
小笠原伯爵邸で、あなたも優雅な時間と美味しい料理を楽しんでみませんか?
小笠原伯爵邸とは?
小笠原伯爵邸(おがさわらはくしゃくてい)は、1927年(昭和2年)に旧小倉藩主の伯爵、小笠原長幹(小笠原家)の邸宅として、東京都新宿区にある閑静な街並み河田町に建設されました。
礼法の宗家で有名な小笠原家第30代当主・小笠原長幹が、当時最盛期を迎えていた曽根中條建築事務所に設計を依頼して施工したものです。敷地は約1,000坪あり江戸時代の小倉藩下屋敷跡で、鉄筋コンクリート造りの地上2階・地下1階建てです。
1948年(昭和23年)に米軍に接収されましたが、4年後に東京都へ返還され1975年(昭和50年)まで東京都福祉局中央児童相談所として利用されていました。
しかしその後は用途を失って放置されており、一時は取り壊しも検討されていたのですが、現在は歴史を感じる本物の空間を持つ邸宅として、東京都選定歴史的建造物に第66号に指定されています。
スパニッシュレストラン「小笠原伯爵邸」
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せっかくの歴史的建造物が放置されたままの小笠原伯爵邸でしたが、2000年(平成12年)に都生活文化局から民間貸し出しされました。
そして、箱根などでレストラン経営をしているインターナショナル青和が借り手として決定。スパニッシュ様式の邸宅を生かし、本間建設株式会社による10億円の修復工事を経て2002年(平成14年)にスパニッシュレストラン「小笠原伯爵邸」としてオープンしたのです。
スパニッシュレストラン「小笠原伯爵邸」の料金設定は決して安くはありませんが、日本人に合うスペイン料理をコースで味わうことができます。
■公式HPはコチラ(スパニッシュレストラン「小笠原伯爵邸」)
スペインから来日したゴンザロ・アルパレスシェフが提唱する食材の味・色・香りなど五感で感じる旬の味をテーマにした料理は、ぜひ一度は試してみる価値のあるものです。一つ一つの料理に工夫が施され、素材の美味しさが感じられる素晴らしいお料理は料金に見合ったものになります。ミシュランガイドで一つ星を受けているのも納得出来ました。
また焼き菓子・マカロンなどが美しく並べられたワゴンでサービスされるデザートにも驚かされます。外国から訪れるお客様も多いのも頷けると思います。
小笠原伯爵邸の美しい庭園でウエディング
1,000坪もある小笠原伯爵邸には庭園が広がり、結婚式やパーティーを開くことが出来ます。
庭園にはスペインで幸せのシンボルとされるオリーブの木をはじめとして細長く刈り込まれた杉のほか、紫陽花やバラが植えられています。
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庭園には白いテントが張ってあるのですが、こちらはガボゼと呼ばれるもの。素敵な照明器が付いたガボゼではガーデン挙式も出来るそうです。
ガボゼの近くには可愛い装飾が施されたシガールームや、噴水付きのバードバスも庭園のポイントになっています。
建物内部の見学は食事をした方のみ限定ですが、庭園は誰でも入れるのでバラの開花時期に見学してみるのもオススメです。
小笠原伯爵邸のおススメスポットは「シガールーム」
※画像引用元はコチラ(エントランス)
小笠原伯爵邸の葡萄のつるを表現した鉄の門扉を通ると可愛い鳥のモチーフのトピアリーが迎えてくれ、葡萄棚をイメージしたエントランスをくぐると、上部の半円窓に鳥籠が装飾されたドアがあります。そのドアを入ると重厚な雰囲気の受付があり、丁寧な対応を受けることが出来ます。
※画像引用元はコチラ(メインダイニング)
そして少し進むとウエディングやパーティーにも使用されるメインダイニングが現れます。このダイニングに置いてあるテーブルは、当時伯爵夫妻と5男6女のお子様が食卓を囲まれた物だそう。
またステンドグラスが美しい優しい風合いの応接間の中央には、小川三知による小花が吹き寄せたようなステンドグラスがあるのですが、これは当初のものを締めなおして使われています。
そして、中でも一番の見どころはイスラム風に統一された【シガールーム】です。
※画像引用元はコチラ(シガールーム)
漆喰彫刻に彩色を施した壁面や大理石の床・天井や丸みのある窓も当時のままの美しさを保っています。有名アーティストなどのMVなどにも使われているほど贅沢な空間になっていますので、ぜひ一度は訪れてほしいおススメスポットになっております。
まとめ
当時の芸術の粋が結集した邸宅ができたのは小笠原伯爵の要望に応えることのできる建築家の手腕によるところが大きかったようです。また、それぞれの部屋の照明や調度品も歴史が感じられるものばかりで、施主である小笠原伯爵の豊富な海外経験からくるモダンな生活や芸術に対する造形の深さが感じられます。
新宿西口駅から大江戸線でほんの数分、そして若松河田駅直結と言ってもよいほどの駅近にある小笠原伯爵邸は、歴史的建造物の中でミシュラン一つ星を受けた食事を楽しむことができるレストランです。美しい庭園でガーデン挙式を挙げることも可能で、屋内でも結婚式やパーティーを開くこともできます。
また、庭園は自由に見学できるのでバラやアジサイの時期に散策してみるのにも素敵な場所です。
東京の中心にいながらここは本当に日本だろうかと不思議な気持ちになり、まるでスペインに旅行をしたように感じられる優美で重厚な小笠原伯爵邸。記念日などにふさわしい歴史も堪能できる優美なレストランで、非日常を楽しんでみてはいかがでしょうか?